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PayPayの店舗手数料上乗せ請求について

PayPayは2021年10月から加盟店のシステム利用手数料を有料化としましたが、ある飲食店がこの手数料を「顧客に上乗せ請求」するという事態が発生している様です。

 

PayPayの利用手数料をお店が上乗せするのはアリなのか?

PayPayは手軽なスマホ決済の手段として多くのは販売店で普及していますが、導入時の無料期間が終わり現在では「システム利用手数料が有料化」となっています。

この手数料有料化に伴いサービス利用店舗が取りうる対応は、

  • PayPayから撤退(手数料は払いたくない)
  • PayPayを継続(手数料を然支払う)

のどちらかになるのが妥当な選択ですが、

  • PayPayは継続するが手数料は顧客に負担を求める(サービスの恩恵を受けるが手数料は払いたくない)

という店舗(飲食店)が一部ある様でSNS等でも話題となりました。

【炎上】イキりツイートでお馴染みの「黒かどや」、PayPay手数料32円をケチった客を「貧乏人」扱い
https://iromame-beans.jp/user/yu2otktk/90f7c5f52f56c18579d3

このお店の場合、具体的には「PayPay支払いは現金支払い額+PayPay手数料2%上乗せ」という風になっています。

  • 現金払い=1600円
  • PayPay払い=手数料2%上乗せで1632円

これに関してはお店側、消費者側、双方で様々意見がありますが、サービス運営側PayPayとしてはどういう見解なのでしょうか?

サービス利用料上乗せは明確に規約違反

お店側はPayPayを導入することで顧客に便利なサービスを提供する事が可能となり、またPayPayのノボリをみてお店を利用する顧客も増えるかもしれません。これはPayPay(Yahoo)の利便性とブランド力から生ずる集客効果とも言えます。

要はPayPayの導入で得たメリットがあるのであれば当然その利用料を支払う義務があります。そうでなくメリットがあまり無いという事であれば、PayPayの利用を止めれば良いだけの話です。

また、このお店の対応「PayPay支払い」と「現金支払い」を区別して手数料を上乗せするという運営は明らかに規約違反になるでしょう。

単純に両者を区別せずに「手数料分を値上げ」して、「PayPayの手数料とは関係ない値上げ」という事にすれば問題は無い筈です。(「現金支払いを値引く」であればギリギリセーフでしょうか)

しかしお店としては「PayPayの手数料」を値上げの理由にしたい訳ですから、最善の解決案が「PayPay支払い」と「現金支払い」を区別して手数料を上乗せするする、という発想になるのかと考えられます。

消費者は「PayPay利用料上乗せ」をどう感じるか

例えば居酒屋で「PayPay支払い(手数料込み)」と「現金支払」が区別されている場合、数パーセントの違いとは言え少しでも安い方で支払うのが普通の感覚だと思います。

例えばクレジットカードも同様に便利なサービスであり店舗側が手数料を払っています。これがもし「クレジット払いが割高」であればどうでしょう?多くの人は銀行で下ろしてから現金で支払うのではないでしょうか。

またこういった事情を分かっている消費者は「PayPay支払い手数料を上乗せ」するお店に良い印象も持たない可能性が高いですし、以降は選択肢から外す場合もあるでしょう。

つまり消費者からすると「サービスの手数料を取る様なお店」として評価を下げる場合も有るという事です。

コンビニ本部とフランチャイズ店舗の争い

以前セブンイレブンフランチャイズ店舗オーナーが「看板だけは使うが、運営は独自に行う」という事があり運営本部と揉め裁判で争うとう事がありました。

この場合も問題の本質は同様で、「便利な仕組み及び知名度(セブンイレブン)」は利用するけど「運営側との約束は守らない」というフランチャイズ側の身勝手な発想が元になっています。

「PayPay」も「セブンイレブン」も企業が資本を投じて作った「便利な仕組み」でると同時に、多くの人が信頼を寄せる「ブランド」な訳です。

これを利用するのであれば運営側が定めた然るべき契約に則った運用が行われるべきであり、それが出来なければ利用は出来ないという事になります。

飲食店としてどうあるべきか

今現在(2021年11月)長引くコロナウィルスの影響で飲食店側の事情も様々ありかと思いますが、その事情を差し置いても「PayPayによる恩恵を受けている」のであれば当然ながら支払い手数料は店舗で持つべきであり、消費者に求めるべきものではありません。

規約違反を分かった上で「PayPay支払い」と「現金支払い」を区別して手数料を上乗せするという発想になってしまえば、お店の信頼も下がりますし今まで築き上げてきたお店のブランドも無力化してしまいかねません。

消費者の側からすると「今まで使えていたモノが使えなくなる」のはマイナスイメージですので、全くメリットが無いという以外は「PayPayを継続する」のが理想的なのかと考えられます。

総括

PayPay側もコロナウィルスの影響を考慮してもう少し猶予の期間を置くなど対策のしようがあった様にも思いますが、しかしやはり便利なサービスは無料ではありません。

手数料を消費者に求めるのは言語道断として、長い目で見てお店にとっての最善策は何か?また消費者の目線で考えた場合何が最善か?など考えた上でPayPayの継続、撤退について考えるべきでしょう。

安易に他もやっているのだからウチも「手数料上乗せ」しよう、といった考えは好ましく有りません。

なおPayPayの手数料に関しては殆ど儲け度外視の低コストですので、他にキャッシュレス決済の手段を導入してないのであれば消費者目線で考えた場合、最低限PayPayだけでも入れておくのは良い選択肢かもしれません。

「PayPay」加盟店における2021年10月以降の決済システム利用料について

消費者目線で考えれば「コンビニでも使えるPayPayが使えれば便利」と感じるでしょうし、今後さらにキャッシュレス決済が進むんだ時にPayPayの継続はメリットとなるでしょう。

利用手数料有料化後に多くの飲食店がPayPay撤退をしている様ですが、全くのメリットが無いという場合以外は消費者目線、世の中の流れ、店舗のブランド力維持などを考慮して継続するという選択肢もあるかと思います。