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itoshinロゴ | ホームページ制作、ロゴデザイン、群馬県太田市のデザイン事務所「ITOSHIN」

経営者とデザインリテラシー

クリエイティブ制作をする上で社長さんや担当者の方とお話することも多いですが、「デザイン・クリエイティブに関しての理解度が低い」と、感じることが多くあります。

「デザインのことは良くわからないからお任せ」というパターンもあれば、ロゴを好き勝手に何パターンも増やしてしまい(名刺、看板、店舗のロゴが全部異なるモノ)収集がつかなくなるとう方も居られられます。

現代では「マーケティング」や「ブランディング」的な観点から「デザインは経営戦略の一部」という風に世界的には認識されています。つまり現代では企業経営を行う上で、「デザインリテラシー(デザインに関する知見)」は必須のスキルセットなのです。

経営者として知っておきたい、「クリエイティブ発注や制作に必要な知識やスキル」などを考えて行きたいと思います。

 

店舗のクリエイティブ(看板や内装などのデザイン)がバラバラの場合、お客様の印象はどうなるのか?

例えば居酒屋さんでこういうお店があったらどうでしょう?

  • 看板のロゴは「筆書きの行書体」だが、店内メニューのロゴは「太いゴシック体」
  • 外の上り(ノボリ)のキャラクターは「威勢の良い龍の様なイラスト」で、店内のオススメメニューのポスターには「可愛らしい犬」のキャラクター
  • 箸入れ袋には看板とは違う「ポップ体のマーク(ロゴのような?)」が入っている

「まさか」と思われるかも知れませんが、実際(地方に行くほど)こういったお店は少なからず見かけます。これらのチグハグな感じを一言で表現すると、「統一感の無いクリエイティブ」という事になります。

こういったクリエイティブの不整合は『マクドナルド』や『スターバックス』の様な「ブランディングが徹底された店舗」には先ず有り得ない事です。

個人経営や中小企業の店舗でなぜこういった事が起こるのかととう仮説立てしますと、「デザインリテラシーの低さ」が主な原因であり、「適切なクリエイティブを発注出来て無い」という事だと考えられます。

適切なクリエイティブ制作には「デザインリテラシー」が必要

例えば、飲食店を経営する場合、「料理の腕前」や「食材の知識」に関してはプロとしての適切な知識を有しているのが大前提かと思います。しかし店舗の内装や外観、看板やロゴなどの「クリエイティブ」に関しては概して素人、適切な知識を有して方は少ないのかと思います。

もちろん自分のお店なので、「こうしたい、ああしたい」という理想は当然あるとして、これを自身のクリエイティブ・ディレクションで明確に理想通りにカタチにするのは相当難しいのかと想像できます。

また飲食店に限らず、ショップを構える場合に重要となるのは当然ながら本業のサービスそのものであり、クリエイティブ制作は外部に任せっきりで「なおざり」になる傾向があると良く聞きます。

よって大枠の「理想や方向性」を伝えた上で外部に発注して「店舗外観」、「内装」、「ロゴや看板」などの「クリエイティブ」が出来上がって行く、という事になるのかと思います。

これらを全て一箇所で請け負うのであれば、ある程度の統一感は保たれる可能性が高くなりますが、内装と看板、店舗のチラシ、など全て異なる制作会社に発注する場合が多い、と考えられます。

なぜなら大手の広告代理店が在る都心ならまだしも、これらを一括で受注できる様な制作会社やプロダクションは地方に行けば行くほど無いのが現状なのです。

つまりこの場合、一貫性を保った適切なクリエイティブを作るには発注者側でのクリエイティブに関しての知識(デザインリテラシー)、をある程度持ち合わせている必要があるのです。(実情としては、本業に忙しい経営者が「デザインを丸投げしてしまう」ということが想定されるのですが・・・)

制作会社の都合で「統一感の無いクリエイティブ」が生み出される場合もある

クリエイティブがバラバラになる原因は「発注側のデザインリテラシーの少なさ」だけで無く、「売上至上主義の制作会社」側にもある様に思います。

制作会社としては、「兎に角数をこなして受注を増やしたい」ので、効率的に仕事を捌くことを考える場合が多いのです。

例えば既に看板があり、ロゴらしいモノも決まっている状況で、パンフレットの受注を受けた制作会社は、「看板のロゴデータが無いらしい」と言う理由から「独自のロゴ」を作ってしまう、などという事が実際にあると聞きます。

「ロゴデータをもらう」より「似た感じで適当に創ったロゴを制作費に含めて割増にしてしまう」。これはとても極端な例で、こんな酷い制作会社ばかりではないと思いますが、こういったケースも少なからず有るのだと考えられます。

例えば、こういった経緯で「バラバラのクリエイティブ」が次々に制作され、「統一感の無い店舗が出来上がる」、という想像が出来ます。

何でも言いなりの制作会社には注意した方が良い

またこれは良く言われる事ですが、日本人は欧米諸国と比べ「ソフトの価値を低く見積もる」傾向があるように感じます。「ソフト」とはハードとソフトの「ソフト」の事、つまり「仕組みや概念」、「包括的なデザイン」もそこに含まれくるのかと思います。

「モノづくり大国日本」などと呼ばれるというもの一つあると思いますが、そういった傾向もあり、デザイン・クリエイティブの「単価設定が予算が実際の手間よりも低い」、という現象が起こる場合もあります。

そういった事情もあり、制作会社はトラブル無しで成るべく早く仕事を捌くという傾向が強くなり、「言われたまま制作するのが一番効率的」、と考えることが多くなります。

「言われたママ」で制作して何かトラブルがあった場合は「言った、言わない」の言い合いとなりますが、これに備えて「議事録」を残している会社も多い。(もちろん本来の目的は聞き逃す防止のハズですが)

あまり信じたく無いですが、こういった「やぶ医者」の様な制作会社は少なからず在ります。特に「低単価で何でも受注する会社」はこの傾向が高いと感じます。

「何でも言いなりに作ってくれる良い制作会社」と勘違いされる方も居るかもしれませんが、実情はこういった事になのです。極論しますと「何でも言いなり」とは「クリエイティブに責任を負わない」という事になるのかと思います。

「クリエイティブがチグハグ」で違和感が出ようが、「言われたママ作ったけど集客に効果が無い」とう場合でも、「注文通りにお作りしました」といのが彼らの言い分となるのです。

統一感と一貫性がクリエイティブの信頼性を高める

  • マクドナルドのロゴは看板、webサイト、パンフレット、どれも共通で書体も統一されている
  • スターバックスの店舗は都会でも地方でも同じトーンで心地よい空間を提供している
  • セブンイレブンの店長さん、アルバイトスタッフが全て同じ制服で統一感がある

これらは全て大企業の話ですが、クリエイティブの統一感と一貫性が保たれているといのは店舗(企業)にとっては、「先ず最低限の身だしなみ」であり、それが世間一般へ「信頼感」生み出す元となっているのだと感じます。

もちろん「外面的なクリエイティブの一貫性」だけが重要事項ではないですがが、先ずそれが「当たり前に出来ている」というのは「サービスの質」と同様にとても重要な事項となります。

逆に、「クリエイティブに一貫性がない」という事は「サービスの質自体も疑問視される」危険性があるということなのです。

これは、人間に例えるなら、「合うたびに主張が違う」、「約束を守らない」、「嘘をつく」と言うのと同じ様な印象となってしまう、という事なのです。極論しますと「胡散臭い」と言う事にもなって来ます。

また飲食店などで他店舗展開を想定した場合などでは「一貫性のないクリエイティブ」はあらゆる面で不利益を生む可能性が考えられますし、良い事は何一無いでしょう。

最後に

「大企業と中小企業では考えが異なる」という意見もありそうですが、中小企業こそ、デザイン・クリエイティブの重要性を認識すべきだと感じます。

しかし、多くの大企業でも元は個人経営の店舗た倉庫の片隅から始まっている事が殆どではないでしょうか?。『マクドナルド』が最初から「今のマクドナルド」であった筈はありません。

『マクドナルド』は長い年月をかけてブランドを構築してきましたが、品質向上と同様に「クリエイティブの品質にも細心の注意を払っている」筈なのです。

本業の品質向上に努めて行くのは当然として、デザイン・クリエイティブに関してお困りであれば、「ブランディング」や「マーケティング」を理解した「デザイナー・クリエイター」を参謀として頼るのも一つの手段です。

そうすることで100%本業へ力を注ぐことが可能となり、さらにブランド力も高めることが出来、他店舗との差別化も可能となる事でしょう。

ITOSHINでは皆様のビジネスをデザイン・クリエイティブ制作やブランディングといった面からご支援させて頂いております。ご相談・お見積りは無料ですので先ずはお気軽にご連絡くだいさい。